大学の特徴(概要)
University College London (UCL) は1826年創立、イギリスで最も古い総合大学の一つであり、ロンドンの中心地にキャンパスを構えています。ロンドン大学群の一角を担い、研究・教育の両面で世界的に高い評価を受けています。
QS世界大学ランキングでも常にトップクラスに位置し、特に社会科学、人文科学、医学、工学など幅広い分野で国際的に認知されています。「Diversity & Inclusion(多様性と包摂)」を重視し、学生のバックグラウンドに関わらずグローバルな視点で学べることも特徴です。
Personal Statementの文字数と提出ルール
UCLの出願では、Personal Statementの長さと提出形式について明確なルールがあります。
これは見落としがちなポイントなので、必ず押さえておきましょう
- オンライン出願フォームに入力する場合
3,000文字(スペースを含む)まで入力可能です。 - 別ファイルでアップロードする場合
3,000文字を超えても提出可能ですが、A4用紙2枚以内(フォントサイズ12、行間シングル)に収めなければなりません。
このルールは単なる形式上の制限ではなく、審査担当者が限られた時間で多くの出願書類を読むことを前提に設けられています。
したがって「ダラダラと長く書く」のではなく、必要なエピソードを厳選し、明快で簡潔にまとめることが「合格への近道」です。
UCLが求めるPersonal Statementの基準
UCL公式サイトによると、Personal Statementは「志望動機」「学問的関心」「大学や学科との適合性」を明確に示すことが求められています。
具体的に含めるべき要素は以下です:
- なぜこのプログラムを学びたいのか
- 学問的関心や研究テーマ
- UCLを選ぶ理由
- これまでの教育的背景や学習経験
- 関連する職務経験・インターンシップ
- 課外活動・ボランティア経験
- キャリアの展望
また、UCLでは 文章の質(論理的で明快な英語) と 独自性(personal & unique) を強調しています。
全体の構成としては、75〜85%を学問的関心や適性の説明に割き、15〜25%を課外活動やキャリア展望に充てることが推奨されています。
よくある間違いの例
(悪い例)
私は昔から国際関係に興味があり、グローバルな問題を解決したいと思っています。UCLで学ぶことは素晴らしい機会であり、私は熱意を持って勉強したいです。
- 問題点
- 抽象的で具体性に欠ける
- 「熱意があります」「興味があります」といったクリシェ表現に留まる
- 自分の経験やスキルがUCLのプログラムとどう結びつくかが説明されていない
良いPersonal Statementの例
(良い例)
高校時代に国連高校生模擬会議に参加した経験を通じ、国際的な交渉における多様な視点の重要性を実感しました。その後、大学では国際政治学を専攻し、特に紛争解決のケーススタディに取り組みました。卒業研究では中東和平交渉における第三者調停の効果を分析し、学会発表も経験しました。
こうした経験から、国際関係理論と実務を架橋する学びをさらに深めたいと考え、学際的な研究環境を提供するUCLのInternational Relations MScを志望しています。UCLが提供する「Negotiation and Mediation」モジュールは、私の研究関心と強く結びついており、将来的には国際機関での政策立案に携わることを目指しています。
- 良い点
- 具体的な活動(模擬会議・卒業研究・学会発表)を提示
- 学問的関心(国際関係・紛争解決)を明確化
- UCLの特定モジュールとの関連を示している
- 将来のキャリア(国際機関での政策立案)までつなげている
UCLを選ぶ理由の書き方について
Personal Statementを書く上で、多くの受験生が一番悩むのが 「なぜUCLを選ぶのか」 という部分です。
「ロンドンにあるから」「国際性が高いから」「ディスカッションが盛んだから」といった理由は魅力的に思えますが、これらはほとんどのイギリス大学院に共通して当てはまるため、差別化にはつながりません。
むしろ「どの大学でも言えること」に終始してしまい、説得力を欠く恐れがあります。

では、どうすればいいのでしょうか?
おすすめは、以下のような観点から書くことです:
- 特定のモジュール・研究分野との結びつき
例:「Negotiation and Mediation」や「Public Policy Analysis」など、シラバスで確認できる授業名を具体的に挙げる - 教授・研究グループとの関心の一致
例:特定の教授が行っている研究テーマや、学内センターのプロジェクトに触れる - プログラムの教育方針・特色
例:学際性を重視する点、実務的なリサーチトレーニングを提供する点、産業界とのネットワークなど - 自分のキャリアゴールとの接続
例:「将来、国際機関で政策立案に携わるために、UCLの××モジュールで実証的な研究力を磨きたい」
良い例
私がUCLに出願する決断をしたのは、『Negotiation and Mediation』というモジュールが、紛争解決に関する私の卒業論文研究と直接結びついているからです。さらに、政治学部が推進する学際的アプローチは、理論と実践的な政策立案を架橋したいという私の学問的関心と合致しています。学術的厳密さと応用的な実務志向を兼ね備えたこの特徴はUCL独自のものであり、将来的に国際機関で政策立案に携わるという私のキャリア目標と完全に一致しています。
ポイントのまとめ
- 「国際性」「英語力向上」「議論が活発」など 汎用的な理由は避ける
- シラバスや教授の研究など、調べれば誰でも確認できる情報を活用
- 自分の過去の経験・研究関心・キャリア展望とUCLの特徴を結びつけて書く
まとめ:書く際のポイント
UCLのPersonal Statementでは、熱意だけではなく、具体的な経験と学術的な関心をどのようにUCLのプログラムにつなげるかが重要です。
文章全体を通じて「自分はこのプログラムに最適な候補者である」と示すことが求められます。
- 75〜85%を学問的関心に、15〜25%を課外活動や将来の展望に充てる
- 具体的な経験(研究・課外活動・職務経験)を根拠として提示する
- モジュール名や研究環境を参照し、「なぜUCLか?」を明確に
- よくある文言を避け、独自のエピソードで自分を差別化する
- 最後はキャリアの方向性とつなげて説得力を持たせる
UCL (2025a) Writing your personal statement [Online]. University College London. Available at: https://www.ucl.ac.uk/prospective-students/graduate/writing-your-personal-statement (Accessed: 2025.9.2).
UCL (2025b) Writing a personal statement [Online]. University College London. Available at: https://www.ucl.ac.uk/prospective-students/undergraduate/writing-personal-statement (Accessed: 2025.9.2).
弊社のサポートについて
弊社では、UCLを含むイギリス大学院への出願に特化したPersonal Statement添削サービスを提供しています。
- プログラムごとの公式基準に即したアドバイス
- 日本語・英語の両面からの徹底的な添削
- キャリア・研究計画まで見据えた戦略的サポート