最新版:公共政策・政治分野で学ぶなら!イギリスのおすすめ大学院ガイド
「英国はオックスブリッジだけ?」──いいえ! イギリス(+アイルランド)には、世界ランキング常連の名門から分野特化で評価の高い大学まで、公共政策・政治系プログラムの宝庫がそろっています。
本記事では ランキング重視型 と 学習環境重視型 の 2 カテゴリー・計 14 校を厳選。各校の特色とを掲載しているので、比較・出願準備にご活用ください。
本記事の読み方
- ランキング重視型 … GPAもある程度高く、世界的ブランドと就職力を最優先したい方向け
- 学習環境重視型 …成績が少し不安でも、手厚い指導・実務経験で実力をつけたい方向け
★ランキング重視型|世界トップクラスで学ぶ公共政策・政治大学院(7 校)
University of Oxford (オックスフォード大学) ーMaster of Public Policy, Blavatnik School of Government
概要
Induction期間の「Policy Challenge I」でケーススタディとチームビルディングに取り組み、倫理観を伴う問題解決力を鍛えます。夏には6〜8週間の政策プロジェクト(政策レポート型ワークプレイスメント)を実施し、学内外の実務現場で知識を即応用できます。さらに、多彩な選択モジュール(気候変動、都市政策、サイバーセキュリティなど)で専門分野を深められます。
- QS/THE とも世界トップ 5 常連、公共政策教育の最高峰
- 1 年制 Master of Public Policy (MPP) で政策分析+リーダー育成
- 元閣僚や国際機関幹部が客員教授として登壇
- 卒業生ネットワークは政府・国際機関・民間大手まで多岐
- 奨学金枠も豊富で競争的ながらハイリターン
こういう人におすすめ
政策立案の理論だけでなく、実践経験とチームでの意思決定スキルを体系的に鍛えたい方にピッタリ。明確な政策課題を持ち、配置プロジェクトで成果を形にしていきたい実務家におすすめです。
University of Cambridge (ケンブリッジ大学) ーMPhil in Public Policy, Department of Politics and International Studies [POLIS]
概要
9か月の実践志向プログラムで、5日間の「Policy Analysis Exercise」と4〜6週間の必修ワークプレースメントが核。評価はコースワーク中心で、学位論文は課さない。統計等のスキル・ワークショップやメディア対応演習も組み込み、各学期に少人数スーパービジョンを実施。

- QS 世界 2 位、学際的 MPhil in Public Policy(9 か月)を提供
- 政治・法・経済を横断し、少人数チュートリアルで徹底指導
- 政策諮問機関との共同プロジェクトで即応力を養成
- 伝統的研究力+イノベーション都市「Silicon Fen」と連携
- 出願締切が早い(毎年 2 月末)ため前年度準備が必須
こういう人におすすめ
短期集中で「エビデンスに基づく政策形成」の方法論を一気に習得したい人。英国/国際機関で専門領域の輪郭を固めたい若手〜中堅におすすめ。
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)ーMaster of Public Policy
概要
ミッドキャリア向けのプログラム。9か月で、政治学・経済学・計量・公共マネジメント・「Philosophy for Public Policy」を核に体系的に学ぶ。コアモジュールと政策応用科目で、理論と実案件の往復する設計。SPPのProfessional Skills AcceleratorやAlumni Mentorship Programmeで、政策実務スキルを段階的に強化。入学前オンライン教材で計量基礎を学べる配慮もあります。

- 社会科学分野世界 6 位、社会政策英国内 1 位の研究力
- 9 か月 MPP / 2 年 MPA、国際学生比率 70% 超
- ロンドン中心部で官庁・国際機関との連携イベントが豊富
- ビッグデータ分析で Evidence-Based Policy を徹底
- 卒業後 3 か月以内就職率 94%、年収中央値は英国公共部門の 1.4 倍
こういう人におすすめ
“政府の作法(craft of government)”を短期で再訓練し、次の役職・部局横断業務に備えたい中堅。濃密なコアと選択でピンポイント強化を図りたい実務家むけ。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)ーPublic Policy MSc
概要
理論と実践を架橋し、ケーススタディと演習で政策分析の基礎から応用までを段階的に学ぶ。修了時は修士論文に加えて「政策プロジェクト」選択可で、成果物の形を選べます。エッセイ・試験だけでなく、政策ブリーフ・研究プロジェクトなど多様な評価法を採用。キャリアイベントやパブリック・ワークショップが通年で開催され、テーマ横断連携もしやすい環境です。

- QS 世界 9 位、雇用者評価ロンドン首位クラス
- MSc Public Policy ほか国際公共政策・革新政策など多彩
- 政策ラボでリアル案件に挑戦、データサイエンス連携も容易
- 医療・都市政策など学内横断コラボが活発
- ロンドンの就職・インターン市場をフル活用
こういう人におすすめ
学術的厳密性と“政策プロジェクトとしての成果物”を両立させたい人。ロンドンの豊富な場で領域横断の政策テーマを磨きたい人におすすめです。
Kings College London (キングス・カレッジ・ロンドン) [KCL] ーPublic Policy MA
概要
Department of Political Economy運営。比較政策・公共経済・リーダーシップを横断して学ぶ。政府・NPO・シンクタンク等での「Project Placement(約3ヶ月のインターン)」を通じて、学びを実務に接続。省庁・実務家スピーカーによる連続セミナーを恒常開催し、現場を知るチャンスも多数。外交・安全保障分野のモジュールも選択可能な配慮もある。

- QS 政治学分野 4 位、The Policy Institute が実務案件を仲介
- MA Public Policy は比較政策・公共経済・リーダーシップを網羅
- 戦争学・安全保障学とも連携し外交・防衛政策に強い
- ロンドン中心地 5 キャンパスで政府アクセス至便
- 官庁・シンクタンク連携インターンで履歴書を強化
こういう人におすすめ
「KCL MA Public Policy (with Placement)」とインターン経験が明記され経験もアピールできる。公共政策×安全保障・外交など交差領域を実地で深めたい人におすすめ。
The University of Edinburgh (エディンバラ大) ーMSc Public Policy
概要
必修「Public Policy」と選択科目で政策過程・評価・実装を学び、「Policy in Action」で学外組織と課題解決に挑戦。同演習では大臣向けブリーフ作成まで行う実務型アウトプットを経験。最終的に、通常の修士論文のほかに、学外の組織(政府機関、NGO、シンクタンクなど)と提携し、そこで実際に直面している政策課題をテーマに研究「placement-based dissertation」も選択できる。

- QS 世界 22 位前後、スコットランド自治政府の首都で学ぶ
- MSc Public Policy は地方自治・社会革新プロジェクトが核
- 教員は政府顧問経験者多数、現場志向のケース学習
- 議会訪問や政策ワークショップが必修
- 卒業生は英国・EU 公共部門や大型 NGO に高い就職率
こういう人におすすめ
研究型だけでなく“現場接続型の修了論文”で仕上げたい人。地方政府・非営利セクターの実装まで見据えた実践を積みたい人におすすめ。
Trinity College, The University of Dublin (トリニティ・カレッジ・ダブリン,ダブリン大学) [TCD]【アイルランド】ーInternational Politics (M.Sc. / P.Grad.Dip.)
概要
現代国際政治の理論・方法とともに、外交政策・紛争解決・人権・地政学などを扱う授業設計。EU、米国、ロシア、アジア、中東など地域研究の選択肢が広く、テーマ横断の履修が可能。評価はエッセイや研究プロジェクト中心で、実証的な設計と政策関連スキルが重視される。少人数制の院生教育が特徴。

- QS 世界ランキング 81 位、アイルランド最上位の歴史ある名門
- MSc International Politics など定員 20 名で密度の高い指導
- 教授陣は EU・UN 実務経験者、研究法+実践力を両輪で習得
- ダブリンの EU 関連機関ネットワークで就職支援
- 学費が英国トップ校より控えめでコスパ良好
こういう人におすすめ
“地域×テーマ”を自在に組み合わせて自分の関心を掘り下げたい人。EU・人権・紛争解決など欧州拠点の知見で国際機関志向を強めたい人。
★学習環境重視型|専門性とサポートで選ぶ公共政策・政治大学院(7 校)
University of York (ヨーク大学) ーMPA Public Administration
概要
コア4科目(政策過程/公共財政/公共マネジメント/変革リーダーシップ)+選択で体系的に学べる。修了要件は学術論文ではなく、実践志向の「政策レポート」で、担当教員の個別指導の下に政策提案をまとめます。レポート発表ワークショップも用意され、助言スキルを磨けるのが特徴。政治・国際関係学科とビジネススクール科目の連携で、管理・財政面の実装力も補完できる。

- 社会政策 QS 世界 39 位、英国屈指の政策評価研究センター
- MPA Public Administration で地方自治体と協働プロジェクト
- 平均クラス人数 25 名、ライティング個別支援が充実
- 歴史都市ヨークで学費・生活費を抑えつつ集中
- 卒業生の 92% が 6 か月以内に公共・非営利セクターへ就職
こういう人におすすめ
“論文より実務成果物”で学びを結実させたい人。公共部門や国際NGOでの実装に直結する財政・マネジメント力も並行して伸ばしたい人むけ。
University of Sussex(サセックス大学) ーGovernance, Development and Public Policy MA
概要
政治変動と公共的権威の形成・行使を、理論と実践の双方から学べるカリキュラム。グローバル・サウスを含む事例研究を重ね、政策設計・実施と接続した学びを実現。SPRUや汚職研究センター等の周辺資源を活用でき、開発・ガバナンス・公共政策を系統的に学べます。

- 開発学世界 1 位(9 年連続)で国際開発と公共政策を融合
- MA Governance, Development & Public Policy は南半球事例が豊富
- 英国開発研究所(IDS)と共同セミナー、フィールド実習も可
- ブライトン郊外+ロンドン 1 時間の好立地
- 多国籍比率 75%、奨学金枠が手厚い
こういう人におすすめ
新興国・発展途上国のガバナンス課題を現場視点で掘り下げたい人。開発学の知見を政策設計に落とし込みたい実務志向の方におすすめです。
University of Bath (バース大学) ーPublic Policy MSc
概要
現職者向けの2年のオンライン中心の中に、対面(バース/ロンドン)を組み合わせるブレンド型プログラム。社会政策・経済・保健・政治学の知を横断し、政策設計・評価の分析技法を学びながら、働きながら体系的にスキルアップできる運営設計が特徴です。IPRと社会政策学科の共同提供のため、IPRが外部との実務連携や政策研究の最前線を持ち込み、社会政策学科が教育カリキュラムやアカデミックな基盤を提供する。

- Complete University Guide 社会政策英国 2 位・就職展望 1 位
- MSc Public Policy はオンライン+対面集中で柔軟履修
- Institute for Policy Research と企業・自治体案件に参画
- 世界遺産都市バースの安全で落ち着いた環境
- 有給インターンを斡旋、就職率 95% 超
こういう人におすすめ
フルタイムを離れず、“仕事と学びの二刀流”で政策力を高めたい人。集中対面授業と日常のオンライン学習を組み合わせたた学びに魅力を感じる社会人むけプログラム。
University of Essex (エセックス大学) ーMA Economics with Public Policy
概要
経済学の理論・計量を基盤に、公共政策設計・評価への応用を体系化。「The Politics of Public Policy」「Economics for Public Policy」「Econometrics」「Micro/Macro」などで段階的にスキルを積みます。実証研究プロジェクトで締めくくり、分析結果を政策提言へ接続する訓練を実施。また、R/Stata等のツールを用いた定量分析スキルも得ることができます。

- 政治学データ分析で欧州トップ 5・世界トップ 20 の研究力
- MA Economics with Public Policy:統計初心者も段階的に育成
- STATA・R 演習必修、実証研究で独立論文を作成
- ロンドンへ電車 1 時間、生活費は首都の約 70%
- 国際学生への数学・英語補講とメンター制度が充実
こういう人におすすめ
“経済学×政策”を定量で攻めたいが計量にブランクがある人。効果検証・データ分析に直結するスキルを体系的に身につけたい人におすすめ。
SOAS University of London (ロンドン大学東洋アフリカ研究学院) ーMSc Public Policy and Management
概要
公共政策と公共マネジメントを統合し、理論・ケース・地域比較で学ぶ設計。一般ルートに加え、財務・会計で専門性を深める「Financial Management Pathway」を選択可能。また、就業年限を延ばして実地経験を得られる「Placement Year(インターンシップ)」オプションも提供されています。国際NGO/公的機関志向の方各々の興味に合わせてカリキュラムを組みやすいのが特色です。

- アジア・アフリカ研究の世界拠点、開発学世界 3 位
- MSc Public Policy and Management:非西洋圏政策を比較分析
- 学生の 50% 超が留学生、多文化ディスカッションが活発
- クラス 20 名前後で発言機会多め
- 国際 NGO・外交ルートへの就職支援が豊富
こういう人におすすめ
政策とマネジメントを“一体”で磨きたい人。財務経営・会計まで含む管理サイドの専門性を強化し国際舞台で価値発揮したい人におすすめ。
Dublin City University (ダブリン市立大学)(DCU)【アイルランド】 ーMSc Public Policy
概要
対面/オンライン/ハイブリッドを選べる柔軟な設計で、夕方開講のモジュールも多く社会人にもおすすめ。ワークショップ型のケース学習とともに、集大成として「Policy Analysis Exercise」に取り組みます。政治理論・政策分析・評価・データ分析を横断し、公共部門・EU機関のキャリア形成につながる。

- MSc Public Policy はオンライン/対面のハイブリッド設計
- 政策ラボで政府・EU 実案件をケーススタディ
- 社会人比率 40% 超、夜間・週末集中で仕事と両立可
- 教員は EU 政策顧問・省庁出向者など実務家中心
- 成長著しいアイルランド経済とスタートアップ環境に直結
こういう人におすすめ
仕事と両立しつつ“分析から提言まで”を一貫して鍛えたい人。アイルランド/EU政策の現場に越境できるハイブリッド環境を重視する人におすすめです。
Birkbeck University of London (バークベック ロンドン大学) ーMSc Public Policy and Management
概要
平日夜間中心の時間割と録画配信で、働きながら学べる学修設計。対面・オンライン・フレキシブルの3形態を用意し、各ルートで共通するのは必修2科目+選択2〜4科目+修論ディサーテーション、という構成。コア科目は「Public Policy: Interests, Ideas, Institutions」「Perspectives on Public Services」「Economics: Theory, Policy and Institutions」などで、基礎を固めます。定量・定性の研究法モジュールも豊富で授業選択の自由度が高いのが特徴。

- MSc Public Policy and Management:平日夜間開講で両立可
- 講義は録画配信、欠席フォローも安心
- ロンドン官庁・NPO と連携したイブニングセミナー多数
- クラス平均 22 名、パートタイム 2 年履修も選択可
- 授業料がロンドン他大学より抑えめでコスパ良好
こういう人におすすめ
夜間学習とオンデマンド視聴で“継続学習”を現実にしたい人。働きながら学ぶ実務者と同じ場で議論したり、学びを深める環境に魅力を感じる人におすすめです。
まとめ — 自分に合った「最適解」を選ぼう
あなたの人生にとって必要なのはどちらでしょうか。
大学選択に少しでも参考になると嬉しいです。もし大学選びに迷うようであれば、気軽にご相談ください
- 世界ブランド × グローバルネットワーク を重視するなら「ランキング重視型」
- 少人数指導 × 実務プロジェクト を重視するなら「学習環境重視型」
自分にあう大学が知りたい方へ
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参考文献
- QS World University Rankings 2024–2025 / Subject Rankings
- Times Higher Education World University Rankings 2024–2025
- 各大学公式コースページ(本文リンク参照)